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FILE 26. Ten,Coo & Chiharu Nagatomi / Beauty Journalist/ Setagaya
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永富千晴/東京生まれ。美容ジャーナリスト
冬の青い空の下、川沿いを2匹の犬が歩いていく。気ままに動き回るのは、2歳になるメスのマルチーズ。名前はクーという。リードに繋がれたもう1匹は、6歳になるメスのミニチュアダックスフンド。彼女の名前はテンという。「2匹の名前は、天と空という意味なんです」。そう語るのは、飼い主である美容ジャーナリストの永富千晴さんだ。
「はじめて犬を飼ったのは、中学1年生のときです」。友人から犬を譲り受けた永富さんは、両親には相談せず突然家に連れて帰ったのだという。「それ以前にも捨て犬を拾って帰ってきたことがあって…、でもその時は飼うことを許してもらえませんでした。2匹目を連れて帰ってきたときは、両親もしょうがないなという感じでしたね」。
実家を出て一人暮らしをはじめた永富さんは、しばらく犬のいない生活を送る。そして今から数年前にテンを飼いはじめる。「よく行くレストランのオーナーの飼い犬に子どもが生まれたんです。そしたらオーナーから、この子は千晴ちゃんへ、と突然子犬を渡されて…。親犬のことも大好きだったから、飼うことにしました」。その数年後には、クーも飼い始める。クーはもともと、母親に飼ってもらうために探していた犬だという。「父が亡くなり気落ちしている母を元気づけたくて。でもクーを母のところに連れていったら、飼えるわけがないと断られちゃって(笑)」。旅行好きの母親は家を空けることが多く、犬の面倒をみることは難しかったのだという。結局、クーも永富さんが飼うことになった。
2匹の性格について、永富さんはこう語る。「テンはシティガール。街が好きで人混みも大好き。クーは天真爛漫な小悪魔タイプの女の子です。性格が違うからこそ、彼女たちはうまくいっているのかもしれませんね」。散歩中も部屋の中でも、テンとクーは永富さんの周りから離れようとしない。まるで母親に甘える子どものように、寄り添っている。永富さんにとっても、2匹のことは子どものような存在だという。「私がいなくなると、ワンワン泣き出すんです。私のことが大好きなんですよね」。河川敷で十分に遊んだ彼女たちが、階段をのぼり帰路につく。その後ろ姿は、仲のいい母娘と同じ雰囲気をまとっていた。
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